高血糖の放置が恐ろしい病気の引き金に??
健康診断で血糖値が高いことを指摘されても、数値が高いというだけでは自覚症状が無いため危機感を持てず、糖尿病と診断される状態であっても放置してしまう方がいます。
そこで今回は高血糖を放置することの恐ろしさについて説明します。
約半数が放置状態?
下の図は、平成28年の厚生労働省が実施した国民健康・栄養調査結果を示しており、血液検査によるHbA1cが6.5%以上のほぼ糖尿病と診断される状態である人を示す「糖尿病が強く疑われる者」では、現在治療を行けている人の割合は76.6%で、男性78.7%、女性74.1%であり、4分の3の人は治療を受けていますが、40歳代男性だけでみると、約半数の方が治療を受けていません(図1)。
図1.「糖尿病が強く疑われる者」における年代別の治療歴の割合
(平成28年 国民健康・栄養調査より引用)
40歳代男性というと、「働き盛り」で忙しい年代というのはわかるのですが、家族のため、ご自身のキャリアアップのために、自らの身体を犠牲にして一生懸命働いていても、糖尿病の進行によって失うものの方が非常に大きくなってしまいます。
糖尿病は異常な「高血糖状態」が継続する病気ですが、高血糖は血管をボロボロにし、恐ろしい合併症を引き起こしてしまいます。
代表的な糖尿病の合併症は次の3つで、合併症により取り返しのつかない障害をきたし、最悪な事態に陥いることもあります。
糖尿病の3大合併症
・糖尿病性網膜症:「失明」
・糖尿病性腎症:「人工透析」
・糖尿病性神経障害:「下肢切断」
いずれも想像するだけで恐ろしい合併症ですが、糖尿病の恐ろしさはそれだけではありません。
実は、糖尿病はがんになりやすく、糖尿病があると肝臓がんが1.97倍、膵臓がんが1.85倍、大腸がんが1.40倍もリスクが高いことが報告されています(図2)。
図2.糖尿病患者におけるがん発症リスク(Arch Intern Med, 166: 1871- 1877, 2006をもとに作成)
さらに、糖尿病患者の死因の第1位はがん(38.3%)であり、糖尿病の合併症である感染症(17.0%)や、血管障害(14.9%)よりも2倍以上高い割合を示しました。
糖尿病にはがんのリスクも
高血糖状態はがん細胞の増殖を促してしまうため、糖尿病になってしまうと、3大合併症の発症だけでなく、がんの併発までも恐れながら過ごさなくてはいけなくなります。
大切な家族のため、ご自身の大切な人生における生きがいのためには、健診で高血糖を指摘されたらすぐ、医療機関を受診するとともに、生活習慣を見直して糖尿病の発症・進行を予防することがとても大切なことです。
ただし、ご自身だけでは一体なにを見直すべきなのかお分かりにならない場合もあると思います。
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参考文献:
1.Inoue M, et al.: Diabetes mellitus and the risk of cancer: results from a large-scale population-based cohort study in Japan. Arch Intern Med, 166: 1871-1877, 2006.
2.Nakamura J, et al.: Causes of death in Japanese patients with diabetes based on the results of a survey of 45,708 cases during 2001-2010: Report of the Committee on Causes of Death in Diabetes Mellitus. J Diabetes Investig,8:397-410,2017.