食べる時間が血糖値の上昇を抑える? (高血糖状態に対する食事療法の効果を最大化するための工夫2)

 健康診断で血糖値が高いことを指摘され、食生活の改善が必要になった時、多くの方は食事量を減らすことを想像することでしょう。確かに、食事量を減らすことは食事療法にとって重要な対策の1つですが、対策を間違ってしまうと、せっかく頑張って食事量を減らしたのに、逆効果になってしまうこともあるのです。

 

 例えば、朝食を抜いてしまうと逆に体重が増加することが知られており、やみくもに食事量を減らすことで血糖値が下がって低血糖になり、低血糖も認知症の進行に関係することも報告されています1)。では、どのように食事すれば正しく血糖値が高い状態を改善できるのでしょう?

 

 今回は、すぐに出来る糖尿病を予防する食事のうち、食べる時間の工夫について説明します。

 

 結論から言うと、食べる時間の工夫は次の通りです。

 夜遅い食事を控え、夜遅くなる場合は夕方と帰宅後の2回に分ける。

 

 どうして夜遅い食事がなぜ血糖値をさらに上昇させるのでしょうか?

 

 そのメカニズムとしては2つあり、1つは夕食の時刻が遅くなることで、昼食からの空腹状態が続き、血液中の脂肪酸が増えて血糖値を下げるインスリンの働きを低下させてしまうためと考えられています。

 もう1つは、昼間に比べ夜間は食事によるエネルギー消費(食事誘発産生熱の発生熱量)が約50%低下し、昼間と同じ食事を食べても血糖値が上昇しやすくなるためと考えられています。

 

 しかしながら、勤務状況により、遅い夕食が避けられない方もおられることでしょう。では、こうした状況を改善するには具体的にどのようにすれば良いのでしょうか?

 

 それには、夕方(18時頃)に職場でおにぎりかパンを食べ、帰宅後に野菜サラダと主菜を食べることにより、食後高血糖が抑えられます。

 

 それにしても、どうして夕食を2回に分けて食べると血糖値の上昇が抑えられるのでしょうか?

 

それは食事を分けることで、1回の食事に含まれる糖質の量が減り食後の血糖値の上昇が抑えられるというのが1つの理由です。さらに、食事を分けることによって最初の食事で血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓の反応性が高まり、2回目の食事の時に膵臓からのインスリン分泌量が増えることが明らかにされています2)。

 

 これは「セカンドミール効果」と呼ばれ、その効果が実証されているのです!

 

 ちょっとした工夫が食後の血糖値の上昇を抑えて、糖尿病の進行にも有効ですから、まずはできることから試しにやってみましょう!

 

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参考文献

1)Desouza CV, et al: Hypoglycemia, diabetes, and cardiovascular events. Diabetes Care, 33: 1389-1394, 2010.

2)Bonuccelli S, et al: Improved tolerance to sequential glucose loading (Staub-Traugott effect): size and mechanisms. Am J Physiol Endocrinol Metab, 297: E532-537, 2009.