高血糖改善に対する運動療法を中止すると4 ~運動療法継続のための工夫~

高血糖状態の改善を目指した運動療法中止後に運動療法を再開する場合、どのような工夫をすると継続しやすくなりますか?

 

 そもそも運動療法を続けることは大変であり、運動療法を継続されることは大変素晴らしいことです。

 

 厚生労働省によると、令和元年度の国民健康・栄養調査結果では、「運動習慣のある人(1回 30 分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している人)の割合は、男性で 33.4%、女性で 25.1%であり、この 10 年間でみると、男 性では有意な増減はなく、女性では有意に減少している。年齢階級別にみると、その割合は、 男性では 40 歳代、女性では 30 歳代で最も低く、それぞれ 18.5%、9.4%である 」という報告があります。

 

 この結果をどのように思われたでしょうか?

ちなみに、厚生労働省が定義したところの運動習慣とは週2回以上運動実施した場合です。

 

 糖尿病ガイドラインによると、高血糖改善のための運動は、有酸素運動は週150分以上、レジスタンス運動は2~3回行う必要があり1)、厚生労働省が調査した運動習慣の結果よりもさらに運動する必要があります。

 

 実際、フィットネスジムの利用状況に関する調査によると、新規入会者の64%が3ヵ月以内に退会し、12ヵ月以上継続した人は4%未満であるというデータもあり2)、運動を行いたいと思った人であっても運動を続けることが難しいことを示しています。

 

 運動が続かない原因として「疲れる」、「面倒」、「忙しくて時間が取れない」などがあります。

 

 実際その通りだと思います。運動すると疲れますし、準備するのも面倒、仕事に家事に運動している時間が取れませんよね。運動がしばらく続いていても、一旦これらが理由で運動を中止してしまうとモチベーションが低下し次の運動機会を逃してしまいます。

 

 ポイントとして、モチベーションと関係なく生活スタイルに運動を取り入れてしまうのも一つの手です。例えば「朝食後散歩する」「お風呂後ストレッチ」、デスクワークなら「1時間置きにスクワット5回」など隙間時間を見つけ出来そうなことから取り入れてみると続けやすくなります。

 

 そしてモチベーション維持に大切なことは自分以外の存在です。皆さんには支えてくれる家族や仲間がいますでしょうか。治療の事や悩みを打ち明けることで前を向きやすくなります。

 

 モチベーションが上がらないな、気持ちが下がっているなと感じた方は一度担当セラピストに相談してみるものよいかと思います。モチベーション維持に大切なことは、目標を特定して達成するための専門的なサポートです3)

 

 私たちセラピストと一緒にスマリハPROに取り組んでいきましょう。

 引き続き高血糖改善のために運動を継続していきましょう。

 

参考文献

1)日本糖尿病学会 編著 : 糖尿病治療ガイド 2022-2023,文光堂.

2) Sperandei S, et al. Adherence to physical activity in an unsupervised setting: explanatory variables for high attrition rates among fitness center members. J Sci Med Sport, 19:916-920, 2016.

 

3) Firth J, et al. Motivating factors and barriers towards exercise in severe mental illness: a systematic review and meta-analysis. Psychol Med, 46: 2869-2881, 2016.