運動療法を中止する要因は大きく分けて2つあります。自主的に運動療法をやめること、もう一つはやむを得ず運動療法を中止する(ドクターストップ)ことです。
糖尿病ガイドラインで運動療法を禁止あるいは制限した方がよい場合¹⁾は以下の通りです。
①糖尿病の代謝コントロールが極端に悪い場合
②増殖前網膜症以上の場合
③腎不全の状態にある場合
④虚血性心疾患や心肺機能い障害がある場合
⑤骨・関節疾患がある場合
⑥急性感染症
⑦糖尿病性壊疽
⑧高度の糖尿病性自律神経障害
そのどちらにしても糖尿病の人は運動療法を中止しても、糖尿病の治療は必ず続けてください。治療全てをやめてしまう人は意外に多く、医療機関で糖尿病の治療を受けている方のうち、1 年間で約 8%(年間22万人)が何らかの理由で糖尿病治療を中断していると推測されています²⁾。
運動療法を中止すると、継続することで期待できるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の減少値(0.66%減少³⁾)ほど血糖値を減少できず、そして治療を始めて1年以内に中断した人は、受診を続けた人に比べ、糖尿病の合併症でもある網膜症、腎症、神経障害のリスクがそれぞれ2.04倍、1.91倍、1.83倍高くなるといったデータもあります⁴⁾。
ちょっとしたきっかけで運動療法を中止し、健康習慣を見失わないようにする工夫がスマリハPROはあります。運動継続に関する質問や疑問は是非担当セラピストにお気軽にご相談ください。
「こんなことを言ったら、ヘンに思われるかも」と言ったように一人で抱え込まず、健康に関わること、運動に関わること、食事に関わることなど、出来うる限りサポートいたします。
引き続き高血糖改善のために運動を継続していきましょう。
参考文献
1)日本糖尿病学会 編著 : 糖尿病治療ガイド 2022-2023,文光堂.
2)「糖尿病受診中断対策包括ガイド」作成ワーキンググループ:糖尿病受診中断対策包括ガイド.厚生労働科学研究「患者データベースに基づく糖尿病の新規合併 症マーカーの探索と均てん化に関する研究-合併症予防と受診中断抑止の視点から」
3)Boulé NG, et al. Effects of exercise on glycemic control and body mass in type 2 diabetes mellitus:a meta-analysis of controlled clinical trials. JAMA, 286: 1218-1227, 2001.
4)Fukuda H, et al. Impact of nonadherence on complication risks and healthcare costs in patients newly-diagnosed with diabetes. Diabetes Res Clin Pract, 123: 55-62, 2017.